トヨタ自動車と、ル・マン24時間レースを主催するフランス西部自動車クラブ(ACO)は9月26日、ACOが進める水素レーシングカー開発プロジェクト「ミッションH24」にトヨタが開発した液体水素エンジンを供給すると発表した。2028年をめどに供給する予定。同プロジェクト内で試作する競技車両への搭載を想定する。トヨタは水素エンジンを社外に供給することで、レースにおける水素燃料の利用と普及を後押しする。
26日、ACOのピエール・フィヨン会長と、トヨタのレース部門トヨタレーシング(TR)の中嶋一貴副会長、トヨタの上原隆史パワートレーンカンパニープレジデントらが富士スピードウェイ(静岡県小山町)で共同会見を開き、計画を明らかにした。
供給する液体水素エンジンは、TRが開発したレース用の排気量3.5リットルのV型6気筒。燃料に液体水素を使用し、ミッションH24の試験車両「H2EVO」に搭載する。同車両はこれまで、トヨタが冷却や空力の開発に協力してきたが、パワートレインまで協業が広がることになる。
トヨタは現在、スーパー耐久シリーズ(S耐)に水素エンジン搭載車で参戦している。また、今年6月のル・マン24時間レースでは、今回の計画のベースとなるエンジンを搭載した試作車「TR LH2」のデモ走行を実施していた。
ACOは、ル・マンを中心とする世界耐久選手権(WEC)を主催している。6月に発表したWECの新競技規則では、30年から最上位の「ハイパーカークラス」に水素燃料車も参戦可能としていた。トヨタとの協業で、30年に向けた水素レーシングカーの開発を加速させる。
フィヨン会長は「H2EVOの開発と性能向上へ新しい道が開けた」とコメント。中嶋副会長は「水素で行う耐久レースの可能性をさらに広げることができる。協業を通じてエンジンの実践的なテストができるため、TRにとっても重要なパートナーシップだ」と述べた。
上原プレジデントは「エンジンの供給開始は2年後を考えている」としつつ、「内燃機関車でレースをやりたい人がたくさんいるので、そのためには環境に配慮をしなくてはならない」と述べた。トヨタはACOとの協業を深化させることで、モータースポーツでも水素活用に向けた仲間づくりを加速させていく考えだ。

















