日産「キックス」、2週間で受注7000台突破 脱・新興国向けでイメージ刷新 走りやデザインが好評

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  • 2026年7月13日 10:00

日産自動車が6月18日に発売した新型小型SUV「キックス」の出だしが好調だ。7月上旬までに7000台以上の受注を獲得しており、国内仕様で初設定したシリーズハイブリッドシステム「第3世代eパワー」の滑らかな走りや、存在感のあるデザインが好評だという。日産の国内登録車販売は2年半にわたって減少が続いている。反転攻勢に向け、初動の勢いを持続できるかが鍵になりそうだ。

■非日産ユーザーの受注も増加傾向

キックスの全面改良は国内では6年ぶり。先行投入された北米仕様とは異なり、第3世代eパワーを初搭載している。後輪用モーターの出力を4割高めた四輪駆動システム「eフォース」など、動力性能も引き上げている。

7月上旬時点では、上級グレード「G」が受注台数の約半数を占め、eフォースの選択率は約35%だという。現状では先代モデルのオーナーなど既存顧客が中心だが、非日産ユーザーの割合も増えつつある。テレビCMやウェブ上での広告展開、SNS(会員制交流サイト)などでの話題づくりも奏効しているとみられる。

■国内向けに質向上

日産は2025年発売の軽自動車「ルークス」を皮切りに、国内の商品ラインアップの刷新を急いでいる。ただ、販売台数の低迷は続いており、特に登録車は26年5月時点で前年同月実績を18カ月連続で下回った。今夏には高級ミニバン「エルグランド」の16年ぶりの全面改良も控えているが、エントリーグレードで消費税込みの価格が300万円を切るキックスは、量販車として重要な役割を果たす。日産の寺西章チーフマーケティングマネージャーは「日本市場での存在感を名実ともに復活させるきっかけにしたい」と話す。

初代キックスは16年、主に新興国市場をターゲットにブラジル工場で生産が始まった。国内には20年、先代のeパワーを搭載したタイ生産車が投入された。これに対し、新型はプラットフォームから刷新し、発電専用エンジンの始動回数も4分の1(WLTC市街地パターン)にするなど、静粛性にもこだわった。狭い駐車場での取り回しや路面の段差など、国内特有の走行シーンを想定し、実車による足回りや操舵感の調整には通常の倍以上の時間を掛けたという。

■全社で連携

販売増に向け、開発チームと国内販売部門との連携も深めている。開発担当者が販売スタッフの下に出向き、商品特徴や思いを直接説明する取り組みを進めており、新型キックスではコロナ禍以降で初めて、全国115の主要販売店全てで実施したという。第三製品開発本部の保科俊介主担は「日産が『これから期待できる』『もう一度注目してみよう』となる転換点にしたい。それができる1台に仕上がったと自負している」と胸を張る。

経営の悪化とともに急減した販売店への来店者数は、新型車の投入により少しずつ回復傾向にあるという。エルグランドとの相乗効果などで話題を喚起し、高い商品力への理解を集められるかどうかが、日産の復権に向けたポイントになりそうだ。

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