ローム、SiC事業の黒字化に重点 新中計の2028年度売上高は5000億円超 3年間で1500億円投資

  • 自動車部品・素材・サプライヤー
  • 2025年11月12日 05:00

 ロームは、市況変動に強く、持続的に収益をあげる体質に転換するための中期経営計画「ムービング・フォワード・トゥー・2028」をまとめた。全社を挙げた構造改革とともに、炭化ケイ素(SiC)、大規模集積回路(LSI)の両事業の収益改善を急ぎ、車載市場で存在感を増す中国などの半導体メーカーに対抗していく。

 最終28年度の財務目標を売上高5千億円以上、営業利益率20%以上、ROE(自己資本利益率)9%以上に設定した。25年度の連結業績予想は、売上高が4600億円、営業利益が50億円(営業利益率1.1%)。同社は25年度に売上高6千億円以上、営業利益率20%以上を目指していたが未達の見通し。電気自動車(EV)向けSiCパワー半導体など車載半導体に力を入れてきたものの、EVの成長鈍化に加え、中国勢の価格攻勢による市況悪化の影響もあって目算が狂った。

 新計画では、収益体質の改善を図るとともに、車載向け製品を中心とした成長領域へ経営リソースを重点配分する。3年間の投資額は1500億円を見込む。

 ポイントはSiC事業の黒字化だ。電動車のモーターを駆動する際、バッテリーの直流電力を交流電力に変換する「主機インバーター」向け事業について、欧州を含めた自動車メーカー16社への納入を決めた。28年度には300万台分のSiCを納入できると想定している。次世代品の開発や8インチ化による歩留まりの向上も図る。

 LSI事業も成長領域へのシフトを加速させるほか、開発リードタイムの短縮と効率向上を進めることで収益を改善する。

 同社は、今後も車載向けに重点を置くが、産業機器やAI(人工知能)サーバー向け製品にも力を入れ、不採算事業からの撤退による売り上げ減を補っていく。センシング向けオプティカルデバイスにも次世代の事業の柱に育成したい考えだ。

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