日産、2026年3月期は2750億円の営業赤字 上期は改善 下期は半導体不足や取引先火災が利益押し下げ

  • 自動車メーカー
  • 2025年10月31日

日産自動車は10月30日、2026年3月期の通期営業損益が2750億円の赤字になる見通しだと発表した。従来予想では未定としていた。25年4~9月期の営業損失は300億円の赤字で、従来予想から1500億円改善する見込み。一方、蘭ネクスペリアの半導体供給問題や米サプライヤーの工場火災などの影響を下期の業績見通しに織り込んだ。詳細は11月6日の25年4~9月期決算発表で説明する。

25年7~9月期の営業利益は500億円の黒字となる見通し。米国の環境規制の見直しにより360億円、研究開発プロジェクトの実施時期の後ろ倒しが760億円、改善に働くと見込む。

一方、25年度下期(25年10月~26年3月)の営業損益は2450億円の赤字を見通す。ネクスペリアの半導体供給問題に加えて、米工場などに供給する現地アルミ部品メーカーの工場火災による影響などが利益を押し下げる。このため通期の純利益見通しについては、引き続き未定とした。

米国の追加関税の影響については、関税率の変更と自社での対策を踏まえ、通期で2750億円と見込む。

ジェレミー・パパン最高財務責任者は30日夜、26年3月期通期見通しについて「(経営再建計画による)上期のコスト削減効果は大きかったが、同じようなコスト削減効果が下期には出てこない。確認中のサプライチェーン(調達網)の状況も加味している」と話した。

関連記事