国内外の自動車ジャーナリストや元レーサーらが審査員を務めた第3回国際自動車映画祭「インターナショナル・オート・フィルム・フェスタ(IAFF)2025」の受賞8作品が決まった。グランプリは、英国のニック・スキナー監督が往年の名車、ジャガー「Eタイプ」に対する〝愛〟をテーマとした作品が獲得した。映画祭を主催するIAFF実行委員会代表の清水喜之さん(映像クリエイター)は「昨年、今年と応募者の国数・作品数が増加し、作品のクオリティも上がっている。来年も楽しみだ」と、継続開催に意欲を見せた。
IAFFは、自動車をテーマにした15分以内の短編作の映画祭で、自動車を軸とする文化・アートの情報を発信する場づくりを目指し発足した。応募数は初開催の2023年が10カ国・46作品、2回目の24年は65カ国・478作品。3回目の今年は73カ国・499作品を集めた。
今回は1~2月を募集期間とした。応募作品の頂点となるグランプリと2件の部門賞、出版社などによる4件のメディア賞、2件の特別賞の合計9件の賞を設定。国内外で活躍するジャーナリストやカーデザイナー、元F1パイロットの片山右京氏ら11人が審査員を務めた。
3月末には受賞候補の25作品を選出し、IAFFのウェブサイトで公開。4月13日には清水さんと実行委員でジャーナリストのピーター・ライオンさん、カーライフエッセイストでIAFFアンバサダーの吉田由美さんの3人が幕張メッセ(千葉市美浜区)で開かれた「オートモビルカウンシル2025」のトークセッションに登壇して映画祭をアピール。さらに、マツダのブランド発信拠点、マツダトランス青山(東京都港区)で同15~20日に全候補作を上映した。
そして同26日に貸し画廊のアクシスギャラリー(同)で、発表・授賞式を開催。受賞者には盾が贈られ、式典に参加できない海外などの受賞者はビデオメッセ―ジで喜びを語った。式典後のパーティーには、関係者や作品を応募したクリエイター、車や映画の愛好家など約60人が参加し、交流を深めた。
今年の応募傾向について清水さんは「北米からの応募が多かった。学生をはじめとする若者の応募も目立った」と言う。吉田さんも「誰でも参加しやすいフェスタ。若い人も多く参加している。どんどん広がっていくといいなと思う」と、今後の応募の拡大を期待した。
IAFFは応募費用が無料で、国籍や年齢を問わずすべての個人、グループ、企業などが参加できる。応募規定は、募集開始の1年前以降に完成または公開した15分以内の作品であることと、作品の言語を日本語か英語、または日本語か英語の字幕を付けることなどとした。短編映画やプロモーションビデオ、テレビCM、アニメーション、CGなどジャンルも問わないため、応募者が全世界へと広がっている。
アニメ作品の品質向上や、優れたシナリオの存在をうかがわせる作品が増えたことも今年の特徴という。グランプリ作品は9分超のドラマ。老婦人がアルバムをめくりながら、若き日の愛車、Eタイプ(排気量4.2リットル・直列6気筒エンジン車)と過ごした日々に思いをはせる姿を描き、シナリオがしっかりしていると感じさせた。さらに、受賞候補のアニメの中には、映画会社から長編化を依頼された作品もあるそうだ。
今後についてライオンさんは「1日だけでなく3日間行い、最終日に受賞作品を発表するようなイベントに成長させたい」と大きな映画祭にしていきたいと述べつつ、2026年の規模拡大に向けて、すでに動き出していることを明かした。
成長のために清水さんは「これまでは全員がボランティアで行ってきたが、人を雇えるような事業に育てる必要性を感じている。継続により車の文化を発信し続け、車に憧れを抱く若者が増えることなどに貢献していきたい」と話し、継続開催の体制整備に取り組む姿勢を示した。
(遠藤 幸宏)


























