日産自動車は6月24日、グローバル本社(横浜市西区)で株主総会を開いた。株主からは社外取締役や前経営陣に対する経営悪化の責任を問う声が挙がったほか、予定議案以外の議題が出されるなどして紛糾した。株主からは取締役報酬の見直しなど5つの提案があったが、いずれも否決された。株主からは内田誠前社長に対して、業績悪化の説明を求める声が繰り返し挙がっていたが、内田氏の発言はなかった。

出席株主は、前年比446人増の1071人と大幅に増えた。開催時間も3時間6分と、前年から1時間19分伸びた。質問した株主の人数は同2人減の16人だった。

12人で構成される取締役会のうち、木村取締役会議長ら社外取締役8人は全員留任となった。独立社外取締役については「業績・株主価値を大きく毀損した結果責任がある取締役は去るべき」との株主提案もあった。

株主からは他にも、株価が前年度末から10%以上下落した場合、取締役の報酬総額を20%以上減らすことを定める提案もあったが、「経営陣に対する監督機能の弱体化につながる」などとして否決された。また、子会社の日産車体が上場基準に抵触した場合、完全子会社化など、対応方針の策定を求める提案もあった。

役員人事では、新たにイヴァン・エスピノーサ社長と赤石永一執行役CTO(最高技術責任者)ら4人が取締役に選任された。新任の取締役では日産側の2人に加えて、ルノー側が推薦したフランスの部品メーカー大手フォルヴィアで独立取締役を務めるヴァレリー・ランドン氏と、フランス金融機関大手のナティクシスアセット&ウェルスマネジメントでグローバルCEO(最高経営責任者)を務めたティモシー・ライアン氏の2人も選任された。