仏ルノーは、ルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)が7月15日付で退任する人事を発表した。

 現地報道によると、グッチなど高級アパレルブランドを手掛けるケリングのCEOに就くという。ルノーは今後、後任となるCEOの選定に入る。デメオ氏は、2020年にルノーのCEOに就任。業績が悪化していた中、プラットフォームの集約や生産能力の削減で24年12月期には過去最高の営業利益を達成するなど、ルノーの経営を立て直した。

 パートナー戦略も大幅に見直した。日産自動車への出資比率を大幅に引き下げる一方、内燃機関の開発や生産を行う合弁会社「ホースパワートレイン」を吉利汽車と設立。電気自動車(EV)やソフトウエアの新会社「アンペア」も立ち上げた。

 デメオ氏は声明で「次世代製品に向けた計画も準備している。だからこそバトンを渡す時だと判断した」と退任理由を説明。「これまでの経験を他のセクターに生かし、新たな冒険に乗り出す」とした。