事故を起こした車両と同型の自動運転バス

 先進モビリティ(茨城県つくば市、瀬川雅也社長)は12日、大阪・関西万博で発生した同社の自動運転システムを搭載したバスの事故に関して、特定のバスのみに発生する事象で、同社がこれまで出荷した自動運転システムにはパーキングブレーキが作動しないなどの事象は発生しないことを確認したと発表した。

 大阪メトロが運行する自動運転バスが舞洲万博パーク&ライド駐車場の待機場で、パーキングブレーキが機能しなかったことからコンクリートの壁に接触する事故が4月28日に発生した。この事故には先進モビリティの自動運転システムを搭載していた。

 大阪メトロの調査によると、自動運転システムは、車両のネットワークシステムからのエラー情報を検知した場合、車両に対して送受信を初期化することがプログラムされていた。ところが、初期化するデータを送信する通信速度の設定に誤りがあり、車両側が初期化するデータを正しく受信できていなかった。車両側から初期化完了の応答がないため、自動運転システムがデータ送信を繰り返し、大量のエラーデータが発生。その結果、車両のネットワーク通信に障害が起こり、パーキングブレーキを作動させるための車両情報が伝わらず、作動しなかったとしている。

 事故を起こしたバスには乗客は乗っておらず、ドライバーも無事だった。

 大阪メトロでは事故発生後、自動運転バスの運行を取り止めていた。自動運転システムのプログラムを改修し、今後、事故発生と同等の走行環境でテスト走行を実施し、問題がないことが確認した上で、関係機関に報告して運行を再開する予定としている。