ガソリンスタンド(給油所)を手掛ける宇佐美鉱油(宇佐美智也社長、愛知県津島市)は、フジ・コーポレーションを株式公開買い付け(TOB)で完全子会社化すると発表した。買い付け額は6日の終値と比べて32%高い2830円に設定。買い付け期間は9日から7月22日までで、7月29日の決済完了を予定している。一連の買収費用は500億円以上に上る見通し。TOBが成立すれば、フジ・コーポレーションは上場廃止する予定。

 フジ・コーポレーションは宮城県富谷市に本社を置き、東日本を中心にタイヤ・ホイールの販売店を約50店舗展開している。一般客向けの小売りのほか、ディーラーや給油所などへの販売も好調だ。2024年10月期の売上高は461億円、営業利益は54億円だった。

 一方、宇佐美も給油所などでタイヤやホイールの販売を行っており、今回の買収で事業の相乗効果を高める狙いがあるとみられる。