メルセデス・ベンツ日本(MBJ、ゲルティンガー剛社長兼CEO、千葉市美浜区)が移転予定の情報発信拠点「メルセデスミー東京」(東京都港区)の名称を、「メルセデス・ベンツSTUDIO(スーティディオ)東京」に変更することが分かった。「車を売らないショールーム」の先駆けとしても有名だったが、新施設は商談ラウンジを設置するなどコンセプトを大きく方向転換する。現在の施設よりも、上級な空間づくりを目指す方針。メルセデスミー東京は、30日に営業を終了する。移転先や新施設の概要については、年内にも公表する予定だ。

 「メルセデスミー」は港区高輪の品川プリンスホテル、大田区の羽田空港、大阪市北区のグランフロント大阪にも展開している。このうち、メルセデスミー東京は旗艦店の位置付けだった。ほかの3カ所について、MBJは現時点で名称変更の予定はないとしている。

 同拠点は2011年7月、当時MBJの本社があった港区六本木に「メルセデス・ベンツコネクション」としてオープン。同社の社長を約12年務め、9月に会長に就任した上野金太郎氏の肝煎りで設置した。17年からは現在の名称で営業を続けてきた。

 また、全国の販売店に今後「MAR20X」というコンセプトを導入していく。独メルセデス・ベンツが18年から展開している拠点のコーポレートアイデンティティー(CI)だ。このCIは、顧客のブランド体験を主軸として設計されている。幅広いラインアップと多様化する顧客の趣向に対応すべく、さまざまなデジタルコンテンツやツールを用いた体験を提供することが、基本的なコンセプトになっている。

 MBJの販売網は203拠点あるが、そのうち24拠点はすでに「MAR20X」のコンセプトを導入している。国内でも順次展開していく考えだが、どのくらいまで増やすかといった詳細な計画は開示していない。