損害保険大手4社による一連の情報漏えい問題で、損害保険ジャパンは24日までに、情報漏えいが確認されたディーラー関連の保険代理店58社の一覧を公表した。同社によると、13日から保険契約者に文書で通知を始めているが、連絡先が分からない契約者もいることから、代理店の名称を公表した。
損保大手4社(東京海上日動火災保険、損保ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険)による情報漏えいは、8月末時点で約250万件に上っている。代理店から情報が漏れたルートは2種類ある。自動車ディーラーが兼務している大規模乗合保険代理店が、契約情報を契約社以外の複数の損保にメールなどで送っていたものが約227万件あった。損保からの代理店への出向者が出向元に漏洩していたものが約24万件あった。
損保ジャパンが金融庁に8月末までに報告した調査結果によると、代理店経由が366店・約86万5千件、出向者によるものが74店・約12万6千件もあった。今回、同社が明らかにした代理店は、前者のパターンで契約情報が漏れていた。口座やクレジットカード、事故の情報は含まれていないという。
損保大手4社では再発防止策として、営業目的での代理店出向や、乗合代理店で拠点ごとに取り扱う損保を決める「テリトリー制」などの商慣行の見直しに動いている。金融庁も情報漏えい問題の検証を進めるなど、事態を厳しくみている。
損保ジャパンの問い合わせ先は、同社(電話=0120―018―277)。平日9~17時まで。