アンビシャスグループ北海道(AGH、池田義典社長)は、新車店舗に入庫していた法人ユーザーの車両点検、メンテンナンスの一部を集約する。傘下のトヨタカローラ札幌(田中浩至社長)と札幌トヨペット(沖田俊弥社長)、トヨタレンタリース新札幌(西川友晴社長)の法人部門を統合した札幌トヨペットのAGH企業営業本部が法人車両専用のサービス工場を札幌市豊平区で運営し、市内中心部の店舗に入庫していた法人車両のアフターサービスを集める。新車店舗から法人のアウターサービスを切り離すことで、生産性向上などにつなげる狙いだ。

 22年までグループ会社が運営していた外国メーカー車ディーラーの店舗とサービス工場を活用し、法人専門拠点を立ち上げた。AGH企業営業本部は、3社の法人営業部門を集約する形で札幌トヨペットに新設。7月には、整備、納車、誘致の3グループで構成する「法人メンテナンスセンター」を設け、法人客のアフターサービスを一手に担う体制にした。

 法人専用のサービス工場は8月から稼働しており、市内中央区を中心としたエリアの法人車両を受け入れる。当面は認証工場として定期点検など行い、将来的には指定工場資格を取得する方針だ。

 トヨタ系ディーラーの新車店舗は現在、保有台数の拡大や人手不足などで需給がひっ迫しているケースが目立ち、サービス工場の業務効率化は欠かせない。こうした状況の中、法人車両のメンテナンスを専用工場に集約できれば新車店舗の余力が生まれ、生産性向上、個人ユーザーへのサービス品質向上も期待できる。まずは市内中心部の法人車両を集約することで効果を確かめ、最適なサービス網を模索していく構えだ。

 AGHは、カローラ札幌がメーカー直営会社だった札幌トヨペットを買収後、2021年10月にカローラ札幌グループの持ち株会社として設立。その後、グループ会社の間接部門を担うAGHビジネスサポート(三浦聡社長)を設立するなど、グループ内の機能を再編している。AGH企業営業本部も3社がそれぞれ持っていた法人営業機能を集約することで、グループとしてより効率的な営業体制の構築を目指して設置。トヨタレンタリース新札幌の西川社長が本部長を務めている。