国内全工場の稼働は5月7日に再開した

 ダイハツ工業は、新型車の開発を再開したことを明らかにした。認証不正の発覚後、昨年5月頃から新型車の開発を見合わせていた。不正発覚前に計画していた新型車の開発スケジュールは見直す。ほぼ開発を終えている軽乗用車「ムーヴ」や軽商用電気自動車(EV)は近く型式指定を申請すると見られるが、審査の厳格化で認可には時間がかかる見通し。また、国内生産拠点の稼働率が不正発覚前の水準に戻るのは、8月ごろになると見込む。

 ダイハツは昨年12月、自動車の認証試験で大規模な不正が発覚したことを踏まえ、国土交通省から出荷停止を指示された。すでに国内向け「ロッキー/ライズ」ハイブリッド(HV)」の認証不正が判明した昨年5月から開発業務を一部で見合わせていたが、年末には全新型車の開発を止めた。その後、開発や認証部門をはじめ、不正の再発防止対策を実行に移し始めており、一定の体制が整ったことから新型車の開発を再開することにした。

 新型ムーヴは2023年秋に市場投入する計画で、ほぼ開発を終えていたが、認証不正に関する調査の影響で発売のメドが立っていない。トヨタ自動車とスズキにもOEM(相手先ブランドによる生産)車を供給する予定だった軽商用EVも、23年度末の発売を断念した。

 新型ムーヴと軽商用EVは24年内の発売を目指す。ただ、型式認証で不正を起こした自動車メーカーの審査は通常より厳しく行われる。量産に必要な型式指定の取得までには通常(標準審査期間は2カ月)より大幅に時間がかかる見通しだ。

 新型車2モデル以外で不正発覚前に計画していた国内外の新型車開発スケジュールについては、市場環境が変化していることや、開発期間に余裕を持たせるため、抜本的に見直す。世界的にEV販売が鈍っているほか、開発日程を厳守するプレッシャーが不正の遠因にもなったためだ。

 一方、国土交通省は不正を起こした車種を再試験し、保安基準に適合していることを確認した車両から順次、出荷停止を解除してきた。不正発覚前に生産していた全モデルの生産・出荷は4月19日にできるようになり、5月7日には国内全工場の稼働を再開した。ただ、部品の安定調達に時間がかかっており、不正発覚前の稼働率に戻るのは8月ごろにずれ込む見通し。