カーボンニュートラル燃料は、既存燃料に混ぜて使う場合も

 トヨタ自動車は27日、ガソリン車の脱炭素化を実現する合成燃料やバイオマス(生物由来)燃料の2030年ごろの市場導入を目指し、出光興産、ENEOS、三菱重工業と共同で取り組むと発表した。燃料を使う側のトヨタと燃料を供給する石油元売り大手、関連技術に強みを持つ三菱重工が組み、業界の垣根を超えて「カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)燃料」の普及を目指す。

 カーボンニュートラル燃料は、化石燃料と混ぜたり、化石燃料の代わりに使え、既存の燃料やエンジンに関するインフラをほぼそのまま使える点も利点の一つだ。一方、実用化に向けては、安定調達やコストに課題がある。ガソリンと成分の違いからエンジン側の対応も必要になる。

 今回、4社は「供給」「技術」「需要」のそれぞれの役割から取り組みを加速する。日本におけるカーボンニュートラル燃料の導入シナリオやロードマップ(行程表)づくり、規制緩和の必要性などについて検討するほか、エネルギーセキュリティーの観点からも必要な検討を加えていく。