昼時分、海を渡る風とともに中古車オークション(AA)会場のヤードを歩く。クルマの間を縫いながら、ちらっと車内を覗いてみると、キーに残されたストラップ、サンバイザーに張られたプリクラ写真が目に留まった。物言わぬはずのクルマが、確かに生きざまを語った。帰路のメトロでつい、最初の愛車を思い出した。中古の平べったいステーションワゴンで、大径ホイールと派手…