ウォルフスブルク工場での初代車生産の模様
現行モデル「ゴルフVIII」

 フォルクスワーゲン(VW)の乗用車「ゴルフ」が、3月29日に生産開始50周年を迎えた。同社最大のヒット車で、8世代のモデルを世界8カ国で生産してきた。累計生産台数は3700万台、販売台数は1日平均2千台にも上る。

 ゴルフは「ビートル」(1938年生産開始)の後を継ぐ大衆車として74年に独ウォルフスブルク工場で生産が立ち上がった。初代モデルは工業デザイナーのジョルジェット・ジウジアーロ氏が担当。エンジン横置き・前輪駆動というレイアウトの利点をフルに引き出した効率的なパッケージングや操縦安定性など、後の小型車づくりの規範を確立した。その成功は、2代目が登場する83年までに690万台(派生車含む)をグローバル販売したことに示される。

 歴代モデルでは、衝撃吸収構造、サイドエアバッグ、横滑り防止装置(ESC)、衝突被害軽減ブレーキといった安全技術の普及をけん引するなど、クラスを超えた価値の提供に取り組んできた。最新モデルの8代目は2024年に入り改良を実施、インターフェースに生成AI(人工知能)を導入するなど、さらなる進化を目指した。