ダイハツの桑田副社長

ダイハツ工業の桑田正規副社長は3月19日、オンラインで初めて報道陣の取材に応じた。同社は認証不正問題を受け、1日付で新たな経営体制を発足した。トヨタ自動車出身の桑田氏は、「(自分たちの)思ったことをやるというより、(会社のことを)しっかりと考えている人たちに光を当てるということ、こうした従業員が仕事を進めやすくすることに主眼を置く」と意気込みを語った。

今回の認証不正問題は、過密な開発スケジュールや人手不足、組織風土などが要因となったとされている。桑田氏は「(要因は)リソーセスが変わらない中で規模が拡大したこと。ダイハツに来て感じたのは、(認証関連部門だけではなく)コーポレート機能もかなり人が少ないこと」と指摘した。その上で、「人の採用を含め、会社全体のリソースをどうしていくか、現場で頑張っている人と向き合うため、組織改革など、さまざまなことが(風土改革には)絡むので、ここに尽力したい」と話した。

さらに、「(役職の)階層や書類が少し多いと感じる。こうした点をどう変えていくかがテーマの一つになる」とも述べた。

桑田氏は1992年にトヨタに入社し、20年にわたり国内営業に携わった。その後、総務・人事本部長、事業開発本部長などを歴任し、2022年4月~2023年3月まで人事担当の副社長を務めた。2023年4月には、レクサス電動化推進PJT担当(チーフ・プロジェクト・リーダー)兼トヨタ自動車九州副社長となったが、ダイハツの経営立て直しのため、同社副社長に就任した。トヨタの佐藤恒治社長は2月13日のダイハツとの共同会見で、桑田氏を「組織づくりのプロ」と評価していた。