「アクセルのことを、噴射践板といった。クラッチは連動板であり、ハンドルは転把(てんば)である」―。作家の司馬遼太郎が『戦車・この憂鬱(ゆううつ)な乗物』の中で、戦車学校の教練を思い出し、敵性語の排斥運動に伴う強引な日本語言い換え行為を揶揄(やゆ)していた◆「陸軍は海軍とちがい、英語と民間語を宗教的禁忌のようにきらう風があった」と背景も説明。「噴射…