道内新車ディーラーの2024年4月新卒採用者数は、前年調査比3・0%増の448人となる見込みとなった。日刊自動車新聞社北海道支社が道内の新車ディーラーに調査した。前年は過去10年で最低の採用者数だったこともあり増加に転じた。24年4月入社は23年4月に次ぐ低水準。販売職、整備職ともに採用活動に苦戦している実態が浮き彫りとなった。

 1月上旬から下旬にかけてディーラーごとに記述式で回答を得た。回答101社のうち新卒採用を予定するのは69社。3割のディーラーが新卒者の採用予定がない。

 新卒採用環境の厳しさは、大学や専門学校が集中する札幌管内以外で特に増している。札幌で新卒採用を予定していないディーラーは18・2%なのに対し、札幌管内以外の6管内では38・2%が採用予定無しだった。

 札幌と他の管内で特に温度差があるのが販売職。札幌で販売職の新卒採用予定が無いディーラーの割合は27・3%なのに対し、札幌管内以外の6管内は72・1%と44・8㌽の開きがある。札幌にある大学の就職支援担当者は「Uターン就職を希望する学生は公務員などを目指す傾向が強い」と話す。札幌以外で新卒採用を増やすのであれば、大学進学前の中学生、高校生に業界に魅力を伝えていく必要がある」と指摘する。

 整備職で採用ゼロのディーラーは、札幌21・2%、札幌以外51・5%とその差は歴然としている。企業数でみると全道では101社中59社、札幌管内以外では68社中33社に上る。採用を予定する42社の中で採用予定人数が1人なのは半数の21社だった。

 整備職の確保を巡っては、ディーラー各社が自前で育成する動きが活発化している。高校生を採用して働きながら整備士資格の取得を目指すケースが増えているほか、入社後に専門学校や高等技術専門学院に通わせるディーラーが徐々に増えてきている。