イノベーション・ハブに設置した大型モニターは、デザインモデルを並べて比較検討することも可能

 スバルは、新型車のデザイン開発工程の一部に樹脂モデルレスの開発手法を取り入れ、開発効率を高める。車両デザインの最終確認の作業で、車両のデザインモデルをコンピューターグラフィックス(CG)で再現し、開発にかかる期間の短縮やコストの低減につなげる。1月から稼働予定の新開発拠点「イノベーション・ハブ」(群馬県太田市)には、大型モニターをはじめ新たなデジタルツールを導入した。電動車への投資を加速する中、生産、設計、商品企画のプロセスの見直しも進めており、事業効率を高めることで収益基盤の強化につなげる。

 従来は車両デザインの最終確認で精密な樹脂モデルを用意していたが、新型SUV「レヴォーグ レイバック」の車両デザインの最終確認ではCGモデルを中心に作業を進めた。ただ、一部の部品構成が複雑な箇所では、実物の部分モデルも用意し、細部を確認できるようにした。CGと実物のモデルそれぞれの利点を生かして開発効率を高めた。同様のデザイン開発手法は、他の車種へも展開していく考えだ。

 また、今後の車両開発では、群馬製作所の本工場内に新設したイノベーション・ハブが中心的な役割を担うことになる。特に車両デザインの開発では、高精彩・高輝度大型8Kモニター(縦12㍍×横3・4㍍)も活用して進める。モニター上には、実物大の車両を映し出し、世界各地の街中での走行シーンも再現できるようにした。緯度によって異なる日光の当たり具合なども調整でき、各地域の街並みと車両を組み合わせて比較できるようにしている。

 さらに、国内外で展開する数カ所の開発拠点とバーチャル空間で結び、VR(仮想現実)ゴーグルを装着した現地のスタッフとその場で車両開発の意見交換できるような環境も整え、開発効率を高める。スバルは開発工数や生産工数を半減する目標を掲げ、電動化時代にも高い収益基盤の構築につなげていく。