米テスラは新型電気自動車(EV)「サイバートラック」の納車を開始するとともに、主要スペックを公表した。ピックアップトラック・タイプの車両で、近未来風の外観をはじめ従来の自動車とは一線を画すデザインやユニット、工法を採用して、同社が目指す次世代車を具体化した。
走行性能は、上級モデルの「サイバービースト」の時速0-100㌔㍍加速が2.7秒など高級スポーツ車を上回る動力性能を実現。その上で、足回りのストローク長を305㍉㍍を長めにとった「電子制御式アダプティブエアサスペンション」や、地上最低高を432㍉㍍と高めにとること、駆動制御の工夫によって悪路走破性を向上した。
車体外板は未塗装ながら超硬ステンレススチールを用いてチッピングなどによるへこみ、擦れの軽減と腐食防止を図った。ウインドーには、時速112㌔㍍の野球ボールや「クラス4」のひょうの衝撃に耐える「アーマーガラス」を装備する。
最大けん引力は約5㌧で「アフリカ象並み」をうたう。荷室は複合素材を活用して堅牢さを確保し、建築資材の運搬などの業務仕様に対応可能にした。120㌾および240㌾、11.5㌔㍗の外部給電機能を持つ。
室内には前席用18.5㌅、後席用9.4㌅のタッチスクリーンを装備する。医療グレードのフィルターによって、空気中の微粒子99.7%を捕集できるため〝対生物兵器〟による攻撃を受けても室内空気のクリーンさを保てるという。屋根全面をガラスとして開放感を演出した。当面のラインアップはAWD(全輪駆動)車2タイプで、価格は7万9990㌦(約900万円)から。2025年に後輪駆動車の追加を予定する。