ランクルBASEの仮店舗(愛知県刈谷市)
カーゴBASEの店内(東京都江東区)

 トヨタ車体(愛知県刈谷市)は専門店事業の強化に乗り出す。架装専門店「CARGO BASE(カーゴベース)」を全国展開するほか、ランドクルーザーに特化した「ランクルBASE(ベース)」は海外への出店も検討していく。いずれも一般顧客を対象とした店舗だ。メーカーの技術を駆使して顧客のカスタマイズ(合法改造)要望に応えるほか、ユーザーニーズを直接、吸い上げて商用車やSUVなどの開発に生かす。

 松尾勝博社長が明らかにした。松尾社長は「これまでは『売って終わり』で、販売の最前線を経験していなかった。今後はソリューションに入り込み、お客さまに価値を提供していく」と語った。

 同社は今年1月にランクルベースを愛知県刈谷市にプレオープンした。グループ会社で特装車や車検整備を手がける東海特装車(景井啓之社長)が運営する。まずは用品販売やカスタマイズ、車両整備などを手がけ、「ランドクルーザー70」が国内市場に再投入される今冬をめどに正式オープンする方向で検討中だ。

 6月には東京都江東区のトヨタモビリティ東京・深川店内にカーゴベースも開設した。同社が生産する「ハイエース」を架装したコンプリートカーや関連部品を展示・販売する。新開発の拡張現実(AR)商談ツールも駆使し、専門スタッフがカスタマイズなどの相談に応じる。

 今後は、顧客の反応や運営実績を踏まえつつ、まずはカスタマイズ需要の多いカーゴベースを全国に出店していく。ランクルベースは海外から出店要望も寄せられており、ユーザーの多い中東などでの出店を検討する。同社はSUVや商用車のほか「アルファード/ヴェルファイア」「ノア/ヴォクシー」などのミニバンも手がける。現時点で出店計画はないが、水澗英紀取締役執行役員(開発本部長)は「ミニバンとして新たな付加価値を提供できないか検討している」と語った。

 同社はトヨタグループの車体メーカーだが、トヨタのカンパニー制度導入に伴い、企画から開発、生産まで一連のバン事業が5年前にトヨタ車体へ移管された。メーカーならではの商品やサービスを提供することでバリューチェーン事業を推進するとともに、専門店事業で得た市場動向や顧客の声を新車の企画や開発に生かしていく。