いすゞ自動車が9日に発表した2023年4~6月期連結決算は、売上高が2年連続で過去最高、営業利益は2年ぶりの過去最高を更新した。販売台数は減少したものの、値上げや車種構成の改善、円安による為替差益などで増収増益となった。純利益は、ロシア事業譲渡に伴う特別損失22億円を計上したため過去最高には届かなかったものの、売上増に伴い大幅なプラスとなった。
CV(商用車)販売は、部品供給不足の解消で国内は前年実績を上回ったものの、新興国向けが需要低迷でマイナスだった。LCV(ピックアップトラックおよび派生車)も主力市場であるタイのローン審査厳格化に伴う需要低迷によって前年同期比26%減と大きく落ち込んだ。
グループCFO(最高財務責任者)の山口真宏取締役常務執行役員は「LCVはタイ国内向けの需要が厳しく、販売台数は期初予想より減少を見込むが、一方で輸出は増加する見通し」と語った。通期の業績見通しは据え置いた。