日野自動車が27日に発表した2023年4~6月期の当期純損益は165億円の赤字だった。前期は7億円の黒字だったが、部品メーカーや顧客に対するエンジン認証不正関連の補償130億円を特別損失に計上したことに加え、原材料高騰が業績を押し下げたことで同期として3年ぶりの赤字となった。通期の業績予想は据え置いた。

 4~6月期の販売台数は、前年同期比15.4%減の3万1336台だった。認証不正による影響継続や競争激化で国内向けが同3.7%減となったのに加え、東南アジアを中心とする海外向けが経済の減速で同19.4%減と大幅に落ち込んだ。売上高は、円安や値上げにより増加した。

 営業利益は大幅に減少した。台数減少の影響は値上げなどでカバーしたものの、原材料費の高騰が142億円の減益要因となり、利益を圧迫した。

 中野靖最高財務責任者(CFO)は「海外の減少は市場の影響というよりも部品供給の問題で、今後は回復してくる見通しだ。また、経費も想定より抑えられている。品質問題関連の特別損失もピークを越えた」と述べ、期初予想の通期業績を達成できるとの見通しを示した。また4月に豪ビクトリア州で品質不正などに関する集団訴訟が新たに起こされたことも明らかにした。