不安になったユーザーからの問い合わせは連日数百件に上っている

 ビッグモーター(兼重宏行社長、東京都港区)による自動車保険金の不正請求問題で、板金塗装(BP)の一般客からの入庫受け付けを全面休止するよう、本社から21日に指示が出たことが分かった。不正の現場となったBP工場は現在18カ所あるが、入庫は全国に260カ所ある販売拠点のうち、サテライト店を除く店舗でも受け付けており、このすべてでストップする。また、直近2日間だけで、車検のキャンセルが全国で200件出ているという。

 本社から各拠点への指示では「過去修理案件の(不正の)再調査、調査結果からの再修理や板金対応を優先するため」としている。BP入庫の受け付け再開は未定。

 同社のBP工場は全国に33カ所あったが、一連の不祥事が発覚してから18カ所に減っている。通常は一般客からの入庫に加え、取引のある損保各社が事故車の修理を紹介していた。しかし、不正請求の調査を進めていた損保からの紹介が、22年6月ごろから止まったことから、BP部門は月1億円強の赤字が続いていた。

 また、各拠点のサービス部門で受け付けている車検だが、直近2日間だけで200件ものキャンセルが発生したもよう。同社の社員が顧客の車やタイヤに傷をつける動画が流出。販売した中古車の品質に問題があったと指摘するユーザーも出ている。これらが新聞やテレビなどで連日報道され、それを見た顧客が不安になったとみられる。

 また、弁護士らによる特別調査委員会の報告が開示された18日、一般消費者向けの電話窓口(報道問い合わせはメールのみ)が設置されたが、問い合わせは毎日数百件あるようだ。