オートモールジャパン(西山彰一朗社長、香川県高松市)は、地域の高齢者から子どもまで、すべての人にとって必要とされる企業でありたい。そうした「お客様ファースト」を目指しながら、女性の活躍の場を広げている。
2019年に父親の後を継いで社長に就任して4年目。父親からは、「デキる奴にしか会社は継がせん」と言われていたため、子どもの頃から、家業を継ぐとは思っていなかった。卒業後は、近くの新車ディーラーに就職した。数年後に突然、父親から呼び出され「会社を継いでほしい」と言われ、「父親にやっと認められた」と感激したという。経営については、父親と意見が合わず、喧嘩することもあったが、ある程度信頼して任せてもらえたことを感謝している。
同社は、1981年の創業以来、顧客はもちろんのこと、社員や取引先など関わるすべての人たちが、豊かな生活が送れるよう、最新技術やサービスを提供し、時代に合った店舗づくりを行ってきた。そして全社員の人間的成長にも取り組んだ。そうした中で、2013年の社屋移転をきっかけに、男性のイメージが強いクルマ屋を一新して、女性に活躍の場を作った。
まずは女性が働きやすい環境を整えた。ロッカーや休憩室の充実、整備工場内のスポットクーラー設置など受け入れ体制も整備。15年には整備士希望の新卒女性が入社。職場に女性が増えることで、離職率が減った。女性目線で店舗運営を行うことで、社内や店舗がこれまで以上にきれいになり、ファミリー層や女性客も増え、自動車だけでなく生活に密着したサービスも増えた。
中古車販売と整備を中心とした事業展開を行っているが、この先を考えると3本目の柱がほしい。先代社長の父親が不動産事業を始めた。「地域のための企業でありたい」と、例え自動車と関係ない「スーパーマーケット」「レストラン」であっても構わない。「雇用した従業員に対しても責任がある」。新卒で入社した社員に、50年後も働いてもらえる企業であり続けなければならない。もちろん、自動車整備や販売が主であるのは変わらないが、自動車の環境もどのように変化していくか分からない。その変化に対応しながら、次の時代を見据えていく。
〈受賞者コメント〉西山彰一朗社長
会社として賞をいただけるのは、うれしい。さらに大賞をいただけるなんて、これまでやってきたことが間違えでなかったと評価いただいた。まだ、私も会社もこれから。毎日勉強、努力していきたい。
(藤崎 修)