8月末から発売するEM1e:
6月から個人向けにも販売を開始する電動二輪3機種
ホンダモバイルパワーパックe:

 ホンダは19日、電動二輪スクーター「EM1e:」を8月24日に発売すると発表した。交換式バッテリー「ホンダモバイルパワーパックe:」1個を積み、満充電で53キロメートル(国土交通省届出値)走れる。ホンダの電動二輪車ラインアップは、法人向け「ベンリィe:」をはじめ3機種にとどまっていた。今後はEM1e:も含めて個人向けにも販路を広げ、電動二輪の普及を目指す。

 年間3千台の販売を見込む。価格はバッテリーや充電器を含めて29万9200円(消費税込み、以下同)だ。同じ原付1種の「スーパーカブ50」(24万7500円)、タクト(17万9300円)と比べ割高感を抑えた。

 6月からは、ベンリィe:、電動三輪スクーター「ジャイロe:」、屋根付きのビジネス用電動三輪スクーター「ジャイロキャノピーe:」の個人向け販売を始める。シリーズ合計で年間1万1千台を計画する。

 これらの電動二輪車は、「ホンダ二輪EV取扱店」で扱う。従来の「二輪EV取扱店」と「二輪ビジネスEV取扱店」を統合した登録店制度で、低圧電気取り扱いの教育を受けたスタッフが在籍することやデモカーを1台常備していることなどが登録要件だ。不要になった交換式バッテリーの回収なども担う。回収したバッテリーはリサイクルやリユースで再利用する。

 いずれも交換式バッテリーを採用している。バッテリーシェアリング事業を手がけるGachaco(ガチャコ、渡辺一成代表取締役CEO、東京都港区)などとの連携も将来的には視野に入れているとみられる。

 日本メーカーの電動二輪は、ヤマハ発動機が「E―Vino」(イービーノ)1機種を市販している。スズキやカワサキモータースも今年以降、新たな電動二輪車を投入する計画を示している。

 発表会でホンダモーターサイクルジャパンの室岡克博社長は「『スーパーカブ』のような、お客さまから選ばれるミニマムモビリティーとなるようにしていきたい」と語った。