国土交通省は、フォークリフト用エンジンの排出ガス試験で不正が発覚した豊田自動織機に、エンジンの型式指定を取り消す行政処分を実施したと発表した。取り消されたエンジンは2機種。国交省では行政処分に当たり、道路運送車両法と行政手続法に基づく聴聞を行っていた。同社は役員など関係者の出頭に代えて陳述書を国交省に提出していた。不利益処分の原因となる事実に対する反論はなく、「意見はない」と全面的に認めた。

 同社は3月17日、フォークリフトなどの現行エンジン4機種について、排出ガス性能を測定する劣化耐久試験で複数の不正があったことを発表した。そのうち2機種は、排出ガス性能が保安基準を満たしていないことも判明。4月11日には対象となる約7万2千台について、国交省にリコールを届け出た。

 国交省では同社の調査報告内容や、本社・工場への立入検査で得た情報なども踏まえ、不正行為が確認されたエンジンに搭載する「一酸化炭素等発散防止装置」の装置型式指定の取り消しを決めた。