日野自動車は4月26日、フォルクスワーゲン(VW)グループの商用車部門であるトレイトン(旧VWトラック&バス)との戦略的協力関係構築の枠組みに関する合意を解消すると発表した。協業に関する事業は2023年3月末をもって終了しており、調達に関する合弁会社については2024年初頭に清算する予定。両社の協業は2018年4月に合意したが、各社が個別に抱える経営課題を優先するため解消することを決めた。
日野は、トレイトンとの協業の成果として、「調達領域の合弁会社設立による調達基盤の強化」「欧州におけるカーボンニュートラルに関する知見の獲得」「各種協業検討に伴う社内討議を通じて気づきや学びを得たこと」を挙げている。
日野とトレイトンの協業は、18年4月に包括的な提携に向けた協議を開始したのが始まり。販売からサービス、調達、技術開発に至る多くの領域について協業を検討していくとした。同年9月には、電動化技術と部品調達分野での協力に合意し、19年10月に調達の合弁会社「日野&トレイトン・グローバル・プロキュアメント」を設立。出資比率はトレイトンが51%、日野が49%で、ドイツ・ミュンヘンと東京にオフィスを構えていた。
また、20年3月には電動車のプラットフォームやコンポーネントを一括企画して共有化すると発表し、同年10月に電動車開発の協業契約を締結した。電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の開発および電動プラットフォーム共有化での協力を目指し、両社の専門性を持つメンバーが専任チームを組み、スウェーデンのセーデルテリエで活動を開始するとしていた。