日本自動車工業会(自工会)は3月23日、豊田章男会長が4月以降も続投すると発表した。トヨタ自動車の社長を4月1日付で退任することを踏まえ、豊田氏本人が辞意を表明していた。自工会では運営体制の見直しを含め、2024年5月の任期満了までの続投を求め、豊田氏が受け入れた。

豊田氏は4月1日付でトヨタの社長を退任し、代表取締役会長に就く予定。自工会では理事の就任について、「各社の執行をつかさどる社長であること」と申し合わせており、豊田氏は自身の社長退任を踏まえ、自工会会長を辞任する意向を示していた。

会見で豊田氏は、「トヨタの社長を降りることは、自工会会長を降りることだという前提でさまざまな決断をしてきた」と、辞意を表明した理由を述べた。続投を決断したことについては、「正副会長が一丸となって、チームで課題に取り組んでいく体制をつくりましょうという具体的な提案をもらったため」と説明した。片山正則自工会副会長(いすゞ自動車社長)は、「(辞意表明の後)かなり早い段階で、続投をお願いするという全理事の総意を得ていた」と述べた。

自工会は豊田氏の会長続投と並び、トヨタから佐藤恒治次期社長が4月1日付で副会長に加わる人事も決めた。

自工会では会長の任期を1期2年と定めている。豊田氏は2018年から2度目の自工会会長を務めており、現在は12~14年の1期目から数え、通算4期目に当たる。豊田氏は4期目の任期満了までの1年間、会長職を継続することになる。