2023年2月の車名別新車販売台数は、登録車と軽自動車を合わせた総合ランキングでホンダ「N―BOX(エヌボックス)」が首位だった。エヌボックスは6カ月ぶりに前年同月実績を下回ったものの、5割増のトヨタ「ヤリス」や2桁増の「カローラ」を約4千~5千台突き放し、6カ月連続で首位の座を維持した。電気自動車(EV)ランキングでは、日産「サクラ」が1位を獲得。上位10車種中8車種が前年実績を上回るなど、新車の供給制限が緩和している。

 日本自動車販売協会連合会(自販連、金子直幹会長)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協、赤間俊一会長)は6日、登録車と軽自動車の車名別新車販売台数をそれぞれ発表した。総合トップのエヌボックスは前年同月比1.6%減の1万9652台だった。2位のヤリスは同51.3%増の1万5760台で、3位のカローラは同16.6%増の1万4738台だった。

 登録車のランキングでは上位10車種中9車種をトヨタが占め、新車の供給が急増していることを裏付けた。1月発売の新型「プリウス」が前年より約2.3倍に拡大し、登録車では20年5月以来となる33カ月ぶりのトップ10入りを果たした。レクサスでは約7.7倍を記録した「NX」を筆頭に納車待ちの解消が進んでいる。

 軽ランキングでは、トップ10のうちエヌボックスと10位のダイハツ「ミラ」を除いた8車種が前年を上回った。2位の「タント」は一部改良と追加車種が追い風となり台数を大きく伸ばした。ダイハツでは半導体不足の影響で受注残が膨らんでいた「ムーヴキャンバス」の供給も進んでいる。

 EVの販売台数は、日産のサクラが前月比2.5%減の4213台で2月も首位に立った。2位は日産「リーフ」で同23.0%減の1254台、3位は三菱「eKクロスEV」で同24.3%増の1074台だった。リーフの落ち込みを軽2車種がカバーし、EV全体の販売台数は6カ月連続のプラスとなった。

 22年暦年の総合ランキングでトップだったエヌボックスが年明け以降も独走している。22年度(4月~23年3月)の総合ランキングでも首位獲得が濃厚な状況だ。