いすゞ自動車が9日に発表した2022年4~12月期決算は、売上高と全ての利益項目で過去最高を更新した。これまでの過去最高は前年同期の実績だった。生産台数の回復や値上げの効果、円安の効果などで売上高、営業利益ともに前年同期実績を3割以上上回った。一方、金利上昇やインフレによる東南アジアの需要の鈍化やエネルギーコストのさらなる上昇、半導体不足の影響拡大などを踏まえ、通期見通しは据え置いた。

 4~12カ月のグローバル販売台数は前年同月比12.6%増の58万台だった。国内が部品不足の影響で減少したものの、タイのピックアップトラックが15万9千台と4割近く増加した。営業利益は、円安効果の620億円、販売台数の増加と商品構成差変動による600億円などが増益要因となり、資材費や物流費、エネルギー費の高騰による920億円の減益要因を打ち返した。

 通期の販売計画は、11月の前回公表値から2万6千台少ない77万4千台に修正した。