複数のハイブリッド技術でEVへの移行期間に備える

 マツダは、モーターだけでも走行できる「ストロングハイブリッド」機構を搭載した新型車を2025年頃に投入する方針だ。モーターがエンジンを補助する「マイルドハイブリッド」機構を発展させる形で自社開発する。同社は今後、研究開発投資の重点を電気自動車(EV)に移す考えだが、EVへの移行期間はハイブリッド車(HV)の商品力がカギになるとみて、車格などに応じて複数のハイブリッド技術をそろえる。

 マツダは、25年までにHV(マイルドHVを除く)を5車種、投入する方針を昨年6月に発表した。米アラバマ工場で生産を始めた「CX―50」などに資本提携するトヨタ自動車の「トヨタハイブリッドシステム(THS)」を搭載するほか、ロータリーエンジンを使ったシリーズ式HVの準備も進めている。

 これらとは別に、25年から27年までに新たなストロングHVを加える。詳細は明らかにしていないが、「48㌾マイルドハイブリッドシステム」の電池やモーター出力を強化するなどして開発する見通し。開発担当の廣瀬一郎取締役は「大きい車、小さい車それぞれに適したシステムがある。これまで極めてきた内燃機関に最適なHVで、THSとロータリーのシリーズHV以外の領域をカバーする」と語った。

 マツダは先月末、30年までにEVをはじめとする電動化に約1兆5千億円を投資する方針を公表。30年時点のEVの想定販売比率も従来の25%から最大40%に改め、EVに投資の重点を移す方針を鮮明にした。ただ、各国の電源構成や政策動向に加え、原材料を含めた車載電池の供給制約やコスト、インフラ整備などの不確定要素が多く、EVシフトの先行きは読みにくい。

 このため、車格や用途、要求性能ごとに複数のハイブリッド技術をそろえ、国や市場ニーズに応じ、柔軟に電動化を進められるラインアップを整えてEVへの移行期間に備える。