三菱自動車が2日に発表した2022年4~9月期決算は、売上高が前年同期比30.1%増の1兆1581億円、営業利益が同3.3倍の846億円で、増収増益となった。原材料高の影響があったものの、円安効果で相殺した。通期の見通しは売上高と営業利益、純利益ともに上方修正した。

 4~9月の小売り台数は、前年同期比3.6%減の42万6千台だった。北米では「ディーラー在庫が過去最低水準」(池谷光司副社長)で推移するなど、半導体不足による新車供給難が影響した。

 営業利益段階では半導体を含む原材料価格の上昇が396億円の減益要因となった一方、為替の円安が496億円の増益要因となった。

 通期業績の見通しは、売上高は前回予想に比べ1800億円増の2兆5300億円、営業利益が600億円増の1700億円、純利益が500億円増の1400億円とした。通期の為替見通しを1㌦=125円から134円に変更した。

 円安を追い風に業績予想を上方修正した一方、加藤隆雄社長は「インフレや利上げ、ウクライナ情勢などで世界情勢はリセッション(景気後退)に陥るリスクも高まっている」と懸念を示した。小売り台数は同3万台減の90万8千台と、下方修正した。