スバルが2日に発表した2022年4~9月期の営業利益は前年同期比で約2倍の1104億円だった。原材料価格の高騰が減益要因となったものの、円安による為替差益に加え、生産台数の増加や価格転嫁の効果で大幅な増益となった。通期の見通しは、生産計画を前回見通しより3万台少ない97万台に下方修正したものの、円安効果で売上高を3千億円多い3兆8千億円、営業利益を1千億円多い3千億円、当期純利益を700億円多い2100億円に上方修正した。売上高は過去最高になる見通し。

 4~9月の生産台数は、同24.5%増の42万5千台だった。前年より生産が回復したことに加え、価格転嫁や円安で利益を改善。台数の増加が235億円、価格構成差が485億円、為替差益が1027億円分の増益要因となった。

 通期の営業利益は、想定為替レートを前回予想時の1㌦120円から133円に変更したことで、1千億円上方修正した。生産計画は3万台下方修正するものの、下期のみではコロナ前の19年実績と同等の54万台を生産する計画だ。20年3月期に会計基準を変更したため、単純比較はできないものの、売上高は過去最高になる。

 中村知美社長は「為替を追い風にしながら一段ギアを上げる取り組みを進める。通期の計画を達成していきたい」と話した。