トヨタ自動車は、静岡県裾野市に開設する実証都市「ウーブン・シティ」の建設工事を11月に開始すると発表した。2021年から造成工事を進めてきたが、建築物の工事に着工することでプロジェクトが本格的に始動することになる。今回着工する第1期のエリアの開設は24~25年を予定している。

 10日、建築工事に先立ち実証都市プロジェクトを主導するウーブン・プラネット・ホールディングスのジェームス・カフナー代表取締役CEO(最高経営責任者)をはじめトヨタの桑田正規副社長らが工事開始に向けた安全祈願祭を実施した。カフナーCEOは「トヨタがテストコースでクルマをテストするように、ウーブン・シティでは改善を重ねながら『未来の当たり前』になるような新しいモノやサービス、仕組みなどを発明していく実証実験の街」とコメントした。

 実証都市はトヨタ自動車東日本の東富士工場の跡地に建設し、約70万平方㍍の敷地に将来的に約2千人が住居する。地上と地下空間に複数の道を設け、公共交通、配送、物流、小型モビリティ、自動運転車などそれぞれを独立させることで安全確保や効率化を目指す。また、ENEOS(エネオス)ホールディングス、日清食品、リンナイとの協業実証も計画している。