ダイハツ工業は3日、スーパーハイトワゴン「タント」「タントカスタム」をマイナーチェンジするとともに、アウトドア仕様の「ファンクロス」を追加して同日発売したと発表した。ファンクロスは、専用のフロントグリルやルーフレールの採用などでタフさを演出したほか、はっ水加工のフルファブリックシート表皮やラゲージルームランプといった専用装備を搭載した。タントの月販計画は1万2500台で、このうちファンクロスは2割以上の構成比を見込む。

 コロナ禍でアウトドアの人気が高まる中、新仕様を追加した。外装や専用装備に加え、内装もオレンジの差し色やカモフラージュ柄のシートで個性を求めるユーザーのニーズに応える。ベース車両は「カスタム」の内外装を変更したほか、上下2段階調節式デッキボードや9㌅スマートフォン連携ディスプレーオーディオを採用して使い勝手を向上した。

 8月22日に開始した事前受注の台数は2万8千台と「好調なスタートを切っている」(武田裕介取締役)という。ただ、懸念されるのは半導体不足などによる納期の長期化。部品不足の影響などでタントの5月以降の販売台数は5千台前後で推移しており、販売台数が計画に達するかどうかは供給力次第だ。

 価格は、タントが138万6千~177万1千円、タントカスタムが178万2千~199万1千円、ファンクロスが172万1500~193万500円(消費税込み)。スマートアシストの非装着グレードを廃止したため、エントリー価格は上がったものの、「軽自動車は暮らしを支える乗り物のため価格転嫁は慎重に考えている」(奥平総一郎社長)として改良前の価格からおおむね据え置いた。