CM総合研究所(関根心太郎代表、東京都千代田区)は、2022年8月度のCM好感度ランキングを公表した。総合ランキングでは日清食品「カップヌードル」シリーズが先月に続き首位、2位は「サマージャンボ宝くじ」。自動車業類は18カ月連続でトップテン入りを逃した。

 東京キー5局でオンエアされた全CMを採録・分析するとともに、特約視聴者モニター3千人にCMの印象やその商品に対する購買意向などを聞いた。今回の対象期間の7月20日~8月19日に放映された全CMは2483銘柄(前月比48銘柄減)で、このうち自動車業類は55銘柄(同11銘柄減)だった。

 自動車業類では、ダイハツ「ムーヴ」が前月度から1ランク上昇し首位、日産「サクラ」はトップから2位に後退した。3位はホンダのイメージアップCM。全面改良した日産「エクストレイル」が4位に入った。

 CM総研はこれらの中からムーヴに注目した。ムーヴの業類1位獲得は2017年9月度以来5年ぶり。俳優の伊藤沙莉が「ムーヴキャンバス」に乗って訪れた自然豊かな一軒家カフェや、野菜直売所での一幕を「私とキャンバスは似ている。いや、顔じゃなくて」という語りとともに描き高い評価を得た。さらに「私には私のセオリーがある」をコピーに、洗車する様子などユーザーの日常を映す「ムーヴキャンバス・セオリー」のCMも展開した。

 50歳以上や20歳代の男女などから好感度を獲得。好感要因は「出演者」でポイントを伸ばしたほか、「かわいらしい」では総合6位に。「心がなごむ」でも好スコアを記録した。視聴者からは「確かに顔が似て見える」「キャンバスと伊藤沙莉がピッタリ合っていて印象に残る」「ほっこりする」といったコメントが見受けられた。共感を呼ぶユーモアに加え、穏やかでゆったりとした世界観が好評価を得た。