スズキのインド子会社マルチ・スズキ・インディアは、「スイフト」に圧縮天然ガス(CNG)仕様車「S―CNG」を追加して発売すると発表した。スズキは通常のガソリン車と比べて環境性能やランニングコストに優れるCNG車の展開を強化しており、インドで販売する15車種中9車種がCNG車を設定することになる。電気自動車(EV)の開発を進める一方、CNG車にも注力し、環境対応を図る方針だ。

 スイフトのCNG車はガソリン仕様同様に排気量1.2㍑のK型デュアルジェットエンジンを搭載する。最大出力は57㌔㍗、最大トルクは98.5ニュートン㍍で、燃費効率は1㌔㌘当たり30.9㌔㍍となる。1㍑当たり23.8㌔㍍のガソリン車(AGS)と比べて燃費性能が高く、CNG自体の価格もガソリンより安いため、ランニングコストを抑えられる。車両価格は77万7千㍓(約130万円)から。

 スズキの2021年度(21年4月~22年3月)のCNG車販売台数は前年度比48.1%増の23万4千台で同社の新車販売に占める比率は17%に上昇した。インド政府もCNG車の普及を推進する中、ラインアップを拡充し、CNG車の販売拡大を図る。