CM総合研究所(関根心太郎代表、東京都千代田区)は、2022年7月度のCM好感度ランキングを公表した。総合ランキングでは日清食品「カップヌードル にんにく豚骨」が首位に立ち、ベテラン歌手や人気俳優を起用した花王の衣類柔軟剤、洗濯洗剤が2、3位を占めた。上位常連の携帯キャリアは2カ月連続、自動車業類は17カ月連続でそれぞれトップテン入りを逃した。

 東京キー5局でオンエアされた全CMを採録・分析するとともに、特約視聴者モニター3千人にCMの印象やその商品に対する購買意向などを聞いた。今回の対象期間の6月20日~7月19日に放映された全CMは2531銘柄(前月比51銘柄増)で、このうち自動車業類は66銘柄(同5銘柄増)だった。

 自動車業類では、日産自動車が初投入した軽電気自動車(軽EV)「サクラ」が首位を獲得、ダイハツ「ムーヴ」が2位に入った。スズキ「ソリオ」は前月の2位から3位に後退したが、トップスリーにとどまった。また首位を含む6本のCMが業類トップテン圏内に浮上した。

 CM総研は、これらの中から初のCM好感度業類1位に輝いた「サクラ」に注目した。女優の松たか子を起用し、彼女がポップロックバンドのマカロニえんぴつとともに歌唱した特別バージョンの曲をBGMに使用。松が充電の完了したサクラに乗って街へと出掛け、桜の花びらを振りまきながら軽快に走行する映像に「電気自動車になった日産の軽、サクラ。ついに登場」という松のナレーションが重なる内容だ。

 「電気で走る軽自動車」という特徴と、その最新型の〝登場感〟をアピールし、女性層を中心に支持を獲得。男性は60歳以上の得票が目立った。CM好感要因は「商品にひかれた」のスコアが最も高かったほか、「時代の先端を感じた」では総合1位(2531銘柄中)となった。