排気量アップした新型モデルで、白熱したレースを繰り広げた
車検作業はNAPACの加盟企業も協力した
ブリヂストンは新タイヤを導入

 「トヨタガズーレーシングGR86/BRZカップ」が富士スピードウェイ(静岡県小山市)で開幕した。昨年新型となったトヨタ自動車「GR86」とスバル「BRZ」で争うワンメイクレースで今年は全5戦で争われる。今回から競技規則も大きく変更され、特に「プロフェッショナルシリーズ」では日本自動車用品・部品アフターマーケット振興会(高瀬嶺生会長、NAPAC)の認定部品の装着を可能として改造範囲を広げた。タイヤメーカー各社も開発の最前線に位置付けており、出場者の声やさまざまなデータを集めていた。

 NAPAC加盟企業の認定部品を採用できるようになったことで、プロフェッショナルシリーズの参加者は一定の品質や耐久性を確保しながら、車両の性能を高めることが容易になった。NAPAC加盟企業にとっても、「開発の技術を互いに競い合うことで、モノづくりのレベルを高められ、さらに業界の活性にもつながる」(高瀬会長)との期待が高まる。NAPACでは競技前後の車検業務にも協力するなど、レース運営の全般を支援していた。

 一方で競技を主催するトヨタも、協業による効果に期待している。GR企画部の南山要一主査は過去の競技を振り返り、「プロのレーサーが出るにもかかわらず、観戦客が少なくてもったいない」との課題を指摘。このため、改造範囲を広げることで「プロのクルマづくりをユーザーの愛車でも再現してもらえるようにする」との狙いを説明する。一人ひとりのユーザーにモータースポーツをより身近な存在とすることで、アフターマーケット市場の活性化にもつなげる考えだ。

 また、このレースはディーラー各社が数多く参戦する競技でもある。それぞれのディーラーが顧客をサーキットに招くことで「クルマの楽しさや魅力をアピールできる取り組みも今後増やしていきたい」(同)と将来のクルマファン発掘にも取り組んでいく。

 技術開発の重要な場としているのは、タイヤメーカーも同様だ。上位カテゴリーへのステップアップを目的とする「クラブマンシリーズ」では、住友ゴム工業の「ダンロップ」ブランドのタイヤによるワンメイクレースとなった。また、プロフェッショナルシリーズではブリヂストン、住友ゴム工業、ネクセンタイヤから選択が可能となっている。

 ブリヂストンは高性能タイヤの供給だけではなく、勝利のためレースごとに、契約する選手に対して新タイヤの情報やセッティング、乗り方などを密にアドバイスしている。モータースポーツ企画・推進部モータースポーツオペレーション課の武田洋平氏は「走行したタイヤの感想を即座に受け取れ、改良のポイントを把握しやすい」とし、レースを支援する効果を訴える。

 住友ゴムも最先端の開発現場ととらえている。市販車を生かしたレースだからこそ得られるデータから、性能の向上などにも挑んでいる。さらに、「戦績によっては販売にも大きくかかわってくる」とモータースポーツ部の竹内二朗部長は指摘しており、各社はそれぞれのブランドイメージ向上の場としても重要視している。

(前野 翔太)