千葉・幕張メッセで新型クラウンを発表する豊田社長(左からクロスオーバー、スポーツ、セダン、エステート)

 トヨタ自動車は15日、新型「クラウン」を世界初披露した。先代はセダンだったが新型では4つの車形を用意し、第1弾としてセダンとSUVを融合させた「クロスオーバー」を今秋に発売する。駆動形式は先代までの後輪駆動(FR)から、前輪駆動(FF)をベースに後輪がモーター駆動する四輪駆動(AWD)とする。今後、1年半をかけて「スポーツ」「セダン」「エステート」とラインアップを拡充していく。

 クラウンは1955年に初代モデルが登場し、新型車は16代目となる。新型の第1弾となるクロスオーバーは、クーペのようなルーフラインと、大径タイヤを採用し車高を高めたことで、流麗さと力強さを表現。先代モデルとは全く異なる印象に仕上げた。

 パワートレインは、排気量2.4リットル直列4気筒ターボエンジンと高出力なeアクスルの組み合わせと、排気量2.5リットルのハイブリッドシステムの2種類を用意する。バッテリーは高出力なバイポーラ型ニッケル水素電池を採用する。

 プラットフォームは「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)」で、軽量化と高剛性を両立。新開発のマルチリンク式サスペンションで上級車種らしい安定感と高い乗り心地を実現した。先代モデルよりも着座位置を高くすることで視界を広げ、乗り降りもしやすくした。

 価格は「X」の435万円から「RSアドバンスド」の640万円まで。スタート価格が先代モデルよりも50万円ほど安く、最上級グレードは約100万円安く抑えた。生産は元町工場(愛知県豊田市)に加えて堤工場(同)でも行う。月販目標台数は3200台。