国土交通省は12日、スカニアジャパン(ペール・ランディアン社長、東京都港区)から大型トラック・バスに搭載しているエンジン4機種の長距離耐久試験で問題が判明したとの報告を受けたと発表した。一定の走行時点で排出ガス測定を2回以上行う必要があるところ、1回しか測定していなかった。同社では故意性はなく基準適合性に問題はないとするが、実証実験で問題がないことを確認するまでの間、出荷を停止する。

 エンジン4機種の型式指定申請で、スカニア本社が長距離耐久試験で算出した排出ガス劣化補正値を提出したが、同試験で2点の問題があった。4機種で排出ガス測定の回数が少なかったほか、2機種は初回の排出ガス測定の走行距離を5千㌔㍍で行うべきところ、6100㌔㍍で測定を行っていた。

 同社では問題が発生した原因について「規定の内容を十分理解していなかった」ことなどを理由に挙げている。対象となるエンジンを搭載した車両は、2014年9月~18年9月に型式指定申請した1155台。

 国交省は、3月に日野自動車の排出ガス・燃費試験の不正事案を受けて、大型車メーカーなど7社に同様の不適切な事案の有無などを調査・報告するように指示。4月11日に6社分の結果を公表していた。スカニアジャパンの報告もその一環で、調査に時間がかかっていた。国交省は今後、報告内容の精査と実証実験の確認などを行い、それらの結果を踏まえて対応を決める。