愛知製鋼は6日、米国子会社のアイチフォージユーエスエイ(AFU)の工場内にエンジン鍛造部品のコネクティングロッドを生産する新しいラインが稼働開始したと発表した。高品質な鍛造部品を生産して主要取引先であるトヨタ自動車向けに部品を安定的に供給する。

 AFUはコネクティングロッドを生産していたが、高強度、高精度の製品を生産するために新たなラインを設置した。生産能力は年間360万個(約2500㌧)で、投資額が2175万㌦(約30億円)。

 新ラインで生産するコネクティングロッドは、トヨタのケンタッキー工場、ウエストヴァージニア工場に供給し、「カムリ」「ハイランダー」「RAV4」などに装備される。新ラインで生産するコネクティングロッドの売り上げは、AFU全体の2割程度となる年間1700万㌦(約23億円)を見込む。

 コネクティングロッドは、エンジンのピストンの往復運動で発生する上下の運動エネルギーを、クランクシャフトへ回転運動に変換して伝える部品で、強度と軽さが求められる。トヨタが米国市場向けモデルで進めているエンジンのダウンサイジング化やハイブリッド車(HV)など向けに高品質な鍛造コネクティングロッドの需要が拡大している。新ラインを設置して、これらのニーズに対応していく。