三菱自とDeNAの法人向けサービスの概要

 自動車メーカーがコネクテッドサービスで収集したデータを電気自動車(EV)の開発やEVを使用したサービスに活用する取り組みを進めている。マツダはEVやプラグインハイブリッド車(PHV)の使われ方の違いによるバッテリー劣化状況の差を車載通信機から収集したデータを基に分析し、次期型EVの性能向上に活用する。三菱自動車とディー・エヌ・エー(DeNA)は三菱自のEVから吸い上げたデータを活用し、バッテリー劣化予測などの法人向けサービスを提供する。EVには普及に向けた課題も多い。データを活用してEVの性能や利便性の向上を図り、EVの普及につなげる。

 マツダは30日、コネクテッドサービスの主要機能の無料期間を従来の3年から10年間に延長すると発表した。マツダのコネクテッドサービスは2019年9月に開始し、国内での利用者数は現在、対象車種の販売台数の9割に当たる14万2千台に上る。マツダが負担する通信料は小さくないが、無料期間を延長し、車から収集した利用データを商品開発につなげる。

 マツダがデータ活用の一例に挙げるのがEVの開発だ。20年9月に販売を開始し、欧州や日本、北米などで22年3月までに累計約2万3千台を販売してきた「MX―30」のEVモデルでは各地域や顧客によって異なる走り方や充電方法、気候や地域性などをビッグデータとして集約し、電池劣化への影響を分析。情報制御システムの開発を担当するマツダの中尾堅志氏は「内燃機関も含めてだが、当社の想定していなかった使われ方のデータが得られている」という。マツダは25年をめどに専用プラットフォームを使用した本格EVの投入も控えており、商品開発にビッグデータの活用を進めていく。

 一方、三菱自は、電池寿命予測技術などを所有するDeNAに車両や電池データを渡し、EVの購入を促すサービスの提供につなげる。自動車リース事業者では法人や自治体向けにEVやエネルギーマネジメントをセットで提案するケースが増えている。三菱自はDeNAと連携し、リース事業者に、電池劣化データを活用したサービスと三菱自のEVを組み合わせた新しいリース商品を提案してもらうことなどで、EVの販売拡大につなげる。