トヨタ自動車とスズキは24日、スズキが開発した新型SUVをトヨタが持つインド国内の工場で8月から生産を開始すると発表した。スズキ開発車をトヨタのインド工場で生産するのは初めて。トヨタ、スズキの両ブランドで販売し、インド国外への輸出も計画する。両モデルには、トヨタが開発したストロングハイブリッドとスズキが開発したマイルドハイブリッドをそれぞれの車種に設定する。複数の電動車を提供することで、インドでも高まっている電動化ニーズに対応する。

 両社は2017年に業務提携に向けた覚書を結び、19年に具体的な協業内容を発表。インドでスズキ開発車をトヨタで生産するのはこうした業務提携の一環となる。

 新型SUVは小型車開発に強みを持つスズキが車両開発を担当し、燃費効率が高いストロングハイブリッド技術はトヨタが担当した。より低コストで電動化を実現するマイルドハイブリッド技術はスズキが提供する。19年の計画発表時、生産車種はスズキ「ビターラブレッツァ」としていたが、市場ニーズを精査して新たなSUV車種をスズキが開発した。トヨタのトヨタ・キルロスカ・モーター(TKM)で生産し、トヨタとマルチ・スズキ・インディアが販売する。新型車の年間生産計画は20万台。

 トヨタとスズキの協業は、すでにスズキ車のトヨタへのOEM(相手先ブランドによる生産)をはじめアフリカ市場向け商品の供給、欧州ではトヨタがスズキに電動車をOEM供給している。

 協業によるインドでの新型車生産開始について、トヨタの豊田章男社長は「トヨタ、スズキそれぞれの強みを生かして、インドのお客さまにさまざまな選択肢を提供することで、二酸化炭素(CO2)削減に貢献する」、スズキの鈴木俊宏社長は「将来の協業の更なる深化に向けた大きなマイルストーンであると認識している」とコメントしている。