bZ4Xの試乗・相談会を実施する

 車のサブスクリプション(定額利用)サービスなどを手がけるKINTO(小寺信也社長、名古屋市中村区)は17日、トヨタ自動車の新型電気自動車(EV)「bZ4X」の試乗会を東京と大阪、愛知の3都府県で順次開催すると発表した。KINTOが独自に実施したアンケートから充電に対する悩みを持つユーザーが多いことが分かったため、イベントに合わせて相談会も実施する。ユーザーの充電への不安を解消することでEV購入のハードルを下げる。

 bZ4Xの試乗・相談会は、枚方T―SITE(大阪府枚方市)が6月23~27日、二子玉川蔦屋家電(東京都世田谷区)が7月2~10日、星が丘テラス(名古屋市千種区)は7月16~24日に開催する。3カ所合計で600組の試乗枠を設け、EVを気軽に体験できる機会を創出する。

 このうち大阪会場では、トヨタの担当者が自宅への充電設備の設置や電力プランなどについて、ユーザーから直接相談を受ける機会を設ける。東京と愛知での相談は今後、ホームページで告知する。

 KINTOは、これまでに開催したbZ4Xのイベントで会場を訪れた来場者にEVの購入意向に関するアンケートを実施した。この結果から「購入する意向がある」との回答が9割以上と、ユーザーがEVに高い関心を持っていることが分かった。一方で、6割以上が「購入意向はあるが、悩んでいる」と回答し、理由として「自宅に充電設備がない」「外出先での充電に不安」が上位を占めた。

 現状では充電に対するユーザーの悩みや不安が大きいことが分かったため、イベントの一部日程で相談会を実施することを決めた。

 bZ4Xは個人向けがサブスクサービス「KINTO(キント)」のみで提供し、法人向けもリース販売に限定している。5月12日から第1期分として3千台の申し込み受付を開始したが、現時点で全枠は埋まっていないという。

 ディーラーではbZ4Xの試乗車を配備していない拠点もあるため、今回のイベントを通じて気軽に試乗できる機会と相談の場をワンストップでユーザーに提供し、EVの普及につなげる考えだ。

 今年に入り、EVはラインアップが拡充している。bZ4Xと兄弟車のスバル「ソルテラ」は、注文受付開始から5月末までの累計受注台数が500台に達した。国内販売計画は月間150台であるため、好スタートを切った格好だ。1月から販売開始した日産自動車の「アリア」は、1~5月までに2316台が国内市場で登録されている。

 日産と三菱自動車が発売した新型軽EV「サクラ」と「eKクロスEV」は、発表から3週間で受注台数が両社合わせて約1万4千台を超えた。両社ともに当初の計画を上回る受注を記録している。