古河電気工業は、自動車向けワイヤーハーネスのアルミニウム比率を現在の4割から2025年度に6割以上に引き上げる目標などを掲げた中期経営計画を策定した。電気自動車(EV)の航続距離を延ばすための軽量化ニーズの高まりでアルミ製ワイヤーハーネス需要の拡大を見込んでおり、対応を本格化してシェアアップを図る。

 車両1台に搭載されるワイヤーハーネスの重量は重いもので50㌔㌘にも達するとされている。自動車の電動化や、自動運転・先進運転支援システムなどの搭載で、ワイヤーハーネスの搭載量がさらに増える見通しで、軽量化が求められている。

 アルミはワイヤーハーネスの主流である銅より導電率が低いものの、比重が約3分の1で、軽量化できるメリットがある。同社では特に欧州自動車メーカー向けにアルミ製ワイヤーハーネスの供給が増えており、25年には自動車メーカー8社100車種への採用が決定している。

 今後、グローバルでEVシフトが本格化する見通しで、同社はさらに軽量化できるアルミ製ワイヤーハーネスを開発する。

 一方、中期経営計画では自動運転向け事業にも注力する方針を掲げた。準ミリ波レーダーを活用した「交通監視レーダー」や光ネットワーク、ルーター製品のノウハウを生かして5G(第5世代移動通信規格)を活用したV2X(車車間・路車通信)システムを30年頃に実用化する計画。22~25年度はその準備段階として「利益創出を念頭においた」(小林敬一社長)研究開発を本格化する方針で、重点領域に3年間で1千億円の研究開発費を投じる。

 中期経営計画の数値目標は25年度に当期利益を21年度実績比3倍以上となる370億円以上に引き上げるほか、税引き後ROIC(投下資本利益率)を21年度実績から4㌽アップして6%以上とする。