ホンダは26日、2015年以来7年ぶりにミニバン「ステップワゴン」を全面改良して27日に発売すると発表した。シンプルなデザインを採用したスタイリングでは安心感と誰にでも似合うような自由なフォルムを表現するなど、競合他車との差別化を図った。同車は、かつてシェア1位を取ったが直近は苦戦を強いられており、全面改良を契機に「反転攻勢を狙っていく」(安部典明執行役常務日本本部長)考えだ。

 ステップワゴンは1996年に初代を発売し、今回のモデルで6代目となる。20年以上かけてホンダのファミリーミニバンとして市場を開拓してきた。同じセグメントには、トヨタ自動車の「ノア/ヴォクシー」、日産自動車の「セレナ」といった競合車もあり、市場競争は年々激化してきた。新型ステップワゴンでは安全運転機能の標準装備や国内の歴代ホンダ車の中で最大クラスの室内空間を確保するなど、他車との違いを鮮明にしてシェア拡大を目指す。

 販売計画は月間5千台に設定した。2月の受注開始以来、約1万8千台の注文を獲得しており、「想定を上回るスタートを切った」(開発責任者の蟻坂篤史氏)という。

 パワートレインは2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載するハイブリッドモデルと、1.5リットル直噴VTECターボエンジンを搭載するガソリンモデルを揃えた。駆動方式は前輪駆動(FF)タイプと、ガソリンモデルでは四輪駆動(4WD)を用意した。

 グレードは、標準タイプの「エアー」と精悍なデザインの「スパーダ」、スパーダよりも質感を高めた「スパーダ・プレミアムライン」を設定した。プレミアムラインでは2021年に生産終了した「オデッセイ」からの代替需要も見込んでいる。

 価格は、ガソリンモデルが299万8600円から、ハイブリッドモデルが338万2500円(いずれも消費税込み)から。