ロシアによるウクライナ侵攻は、日本の自動車産業にも影響を与えています。日本の自動車・部品メーカーのロシア現地工場の稼働は停止し、部品メーカーの一部は撤退することを決めました。日本からの中古車輸出の最大仕向け地であるロシアへの経済制裁によって輸出が停滞したことでロシア向けを中心とする中古車相場も3月に下落しました。また、ロシア産の原油やLNG(液化天然ガス)、石炭といったエネルギー資源の輸入を禁止する動きが広がり、ガソリン価格の高騰に拍車にをかけています。

 2月下旬に軍事侵攻が始まってからまもなく、ロシアに進出している自動車メーカーが相次いで稼働を停止しました。日本の自動車メーカーのロシアでの生産規模はそれほど大きくはないですが、トヨタ自動車や日産自動車などが進出しており、現在まで稼働再開のめどが立っていません。さらに部品メーカーでは、すでに撤退方針を固めた会社もあります。熱交換器メーカーのティラドは銀行間取引を含めた資金移動が困難となったことや経済制裁の長期化で事業悪化が避けられないとみて、ロシア事業からの撤退を決めました。今後の動向次第では他の部品メーカーや自動車メーカーにも撤退の流れが広がるかもしれません。

 一方、ロシアには日本の工場で造った自動車や部品も輸出されます。財務省の3月の貿易統計によると、ロシア向け自動車輸出(新車・中古車)は前年同月比27.2%減の1万5808台、自動車部品輸出は同75.3%減の2961㌧と、いずれも大幅なマイナスとなりました。

 各国の経済措置を背景にエネルギーや原材料価格の高騰も続いています。レギュラーガソリンの小売り価格は全国平均で170円を超える水準で高止まりしており、車を使用する人々の生活に大きな影響を与えています。また、ロシアが主要生産国であるニッケルやリチウムといった資源は、電気自動車(EV)の電池に使用されるため、電動車の今後の車両価格にも影響が出る可能性があります。